介護の仕事は色々あるが、中でもトイレ介助は特に難しいとされている。これは介助を受ける高齢者が嫌がるのが大きな理由だろう。
本来なら自分ひとりで行う排せつを他人に介助されることを恥ずかしいと感じる人は少なくない。特に高齢者によっては他人に助けられることを恥ずかしく思う人もいるため、明らかに介助が必要であっても拒否するケースがあるのだ。
高齢者の言うがままにしていると自力での排せつができず、便秘を患うおそれがあるのでどうしてもトイレ介助は必要だが、その一方で強制的に介助作業を行うのも良くない。他人の手で排せつを強要される形になってしまうので、そのような行為は高齢者の尊厳を著しく損なう結果になってしまうからだ。
介護の仕事は高齢者を生活面でサポートするだけではなく、心のケアにも気を配ることが大切だ。特にトイレ介助はされる側が恥ずかしく感じることを正しく理解し、そのうえで介助作業の必要性を知ってもらうように努める必要がある。
加齢による体力の低下で体の自由が利かず、他人の助けが必要な状態になっている現状を不満に思う高齢者は少なくない。介助が無ければ排せつもままならない自身の境遇に強いストレスを感じていることも多いので、そのような高齢者に対しては慎重に接することを心がける必要がある。
もはや優れた介護というのは、高齢者の尊厳を損なわず、それでいてスムーズなトイレ介助を行うことと言っても過言ではないだろう。スムーズにトイレ介助を行うためにも、基本的な知識と介護するときのコツを身に付けておくことを推奨する。